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“赤裸々” 

「 ビストロノミー」って、なに?



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僕の考えるビストロノミー。 ビストロの雰囲気で上質の料理を提供する。ではないと思う。 ガストロノミー・ガストロ(美食!?)、今・現在のパリをはじめとするフランス各地のレストラン、最先端のレストランの料理が作れる。その技術で少しカジュアルな雰囲気でガストロよりはお手頃で、でもキチンとした仕事が施された料理を提供できる店。だと思う。ビストロ以上ガストロ未満、ではない。ガストロを出来る人がやるからこそ価値がある。

僕が知る限り、今の日本でそれをやっている、出来る店、男は彼しかしないと思います。

La cimeの高田裕介シェフ。大阪の高田です。 彼の経歴から裏付けられるように、彼は三ツ星の料理も作れます。どこ出身だからすごい、というのではなく、彼は今まで働いてきたレストランのコピーやアレンジではなく、完全に自分のフィルターを通して自分の皿にしています。要は、”センス”だと思います。 結構、えって言うような組み合わせが多い!!! まだ食べてないないから分からないけど、未知の世界なんだろうなあと思います。でも、手間暇のかかる伝統的な料理もキチンと作ります。最終的な盛り付けで彼の世界に持って行きます。2月に行こうと考えています。HAJIMEさんとFujiyaさんも。
よく、彼との電話で、「あれのどこがビストロなんだ?ガストロだろ?」という僕に、「いいえ、ビストロの気持ちです」と答える彼。今月号を読めば、なぜ彼がああいうスタイルの店にしたのか?少し分かると思いますよ。

La cimeのようなスタイルの店は今後増えていき、これからのスタンダードになるかもしれない。でも僕は、今の店であと3年で今、自分の考えるレストランをカタチにします。その次は分からない。
タカダの店は、一見カジュアルでありながら実は上質な空間。nomaのような雰囲気もある。でもカフェではない。でも、テーブルクロスもない。あれは、50坪という広さも大事な要素。20坪くらいでああいう雰囲気の店をしてもサマにならないと思う。そこにも”センス”が現れています。あの雰囲気をデザイナーに伝えてカタチにするのは大変だったと思いますよ。ああいうスタイルの店を鹿児島でしたら?完全に居酒屋かカフェに毛の生えた程度のすごい中途半端な店になります。ワインも出ない、取り皿だして。。。みたいな。でも、大阪でもまだまだ大変だそう。東京ならもう超有名店でしょう。でも彼はそれを大阪でやる。僕が鹿児島でやるように。

僕ね、彼の店は来年には関西版のミシュランで二つは獲れる、獲って欲しいと思うんです。何故今年評価されない?ミシュランさん、どこ見てるんですか?そりゃあ全部の店を回ることは出来ません。でもちょっとリサーチすれば名前は挙がってくると思うんですよ。テーブルクロスがないから?nomaもないじゃん。それくらいの実力はありますよタカダは。僕も頑張らないといけません。



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でね、特に地方の、もう何十年もフランスに行ってない、ましてや行ったこともないくせに「フレンチとは」みたいに語る料理人、いまだに修行時代に学んだ料理にしがみついてる料理人、スペシャリテ紀行を見ていても思うんだけど、えっ、これっていつの時代の料理?っていうような化石のような料理しかつくらない、牛ヒレとフォアグラと海老があればいい、と勘違いしている料理人の人たちにはタカダの皿を見てほしい。食べて欲しい。理解出来ないし、興味ないだろうけどさ。 
鹿児島で、どこどこの県でそんなことしても・・・・・ 東京は特別・・・・・・ それは言い訳。お客さまは僕等料理人よりもたくさん外食しています。外国にも行っています。東京の素晴らしいレストラン、百貨店にも行っています。変わらないといけないのは自分。お客さんには分からない、って、それはあなたが分かってない。お客さまは求めています。地元にないから、東京に買いに行きます。食べに行きます。僕は鹿児島に呼びます。来てくれています。 伝統にしがみついていても何も始まりません。 老舗だから?だからこそ進化して行かないといけません。それは、革新的な新しいことをする、ということではありません。何度も書いてきましたが、スペシャリテとは、お客さまが評価すること。定番だからこそ、飽きさせない工夫、季節による変化、微調整、そして進化が必要です。ボンタンアメだって、昔とは全然違う製法だそうです。でも、食べたらボンタンアメなんです。変わらないんです。

鹿児島、新幹線が全線開通するからといって、良くなると思ってるのは大まちがいです。若い人は出て行きます。何故、あれだけの観光客が空港、中央駅に来るのに市内に、天文館に人は来ないのか?魅力がないからです。これからの時期、センスのないイルミネーションで飾ったりしても何の意味もない。指宿、霧島に行く人ばかり。来てもらうための努力をしています。多分、努力というか、ポイントがズレテいるんだと思います。何万円もするお金を使ってわざわざそこに行きます。そして満足して、「また来たい」と思うから観光客が後をたたないんです。また来てもらうために努力します。並んでみんなで、という時代でもないと思います。もちろん自分だけ、でもいけない。それぞれが変わらないといけない。と思います。新幹線開通に合わせて大きなイベントをするそうですね。2ヶ月間で80万人見込んでいるそうです。素晴らしいことです。でも、お花見るためにそんなにくるのかな?もしかして入場料なし?はないよね。もし、入場者の一人一人が2千円でも使ってくれたらそれはすごい経済効果です。会場内でのお土産や飲食。そこで、今までにない、ありきたりじゃない物があればもっと満足するでしょうね。税金を使うからこそ、もっと有意義のあることに使って欲しい。市内あちこちに出来たあの銅像、少なくとも僕の周りでは大不評。。。残念だね。だったら、もう一ヶ所西郷さん作るとか。
楽しんで、満足して、お金を使ってもらう施設とか、ないよねえ。

スイマセン、かなり話がそれました。でも、言いたかったことなんです。

ビストロノミーのお話に戻りましょう。


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高田シェフです。今回出てきたシェフの中で、フランス人も含めてダントツ顔が濃いです(笑)。
奄美大島出身の”しまんちゅ”です。僕の母親も奄美です。
ちょうど1年前、彼からコンタクトがあり連絡を取り合うようになり、帰省の際にcainoyaにも食べに来てくれました。ちょうど、店をするのが決まった時でした。一緒に畑に行ってとんかつ食べて。その時とはもう顔つきが違います。むちゃくちゃ頑張ってる、仕事をしている男の顔です。

僕の料理って、ガストロなの?トラットリアではない。一応、リストランテを名乗っていますが、盛り付けはどう見てもトラットリアですねえ。センスないかも。まあ、それは周りやお客さまが評価すること。




この間、書いてる途中で止まってしまったやつ、OUR GENERATION。少し、自分なりの答えが見えてきました。それは、”B”ORDERLESS。ボーダレスです。イタリアンだから、フレンチだから、和食だから、とジャンルに囚われえることなく、自分の興味のあるものは試してみる。取り入れてみる。それが、僕等の世代ではないか?と思うのです。
これだけ流通も発達した、しかも情報化社会。イタリアンだからコレはダメ、コレをしたらイタリアンじゃない、とかはナンセンス。じゃあ、今のミラノやパリ、バルセロナはどうだろう?最終的に自分の皿になればいいわけです。でもそれは創作料理ではない。自分のバックボーンにある、僕ならイタリア、伝統の料理もちゃんと作れる上で自分の表現をしていくこと。鹿児島に行くから何処行こうか?ではなく、cainoyaで食べるために鹿児島に来る。行こう。待つんじゃない。こちらから発信していくこと。
と、考えています。

by cainoya | 2010-11-10 14:09 | THINK
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