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“赤裸々” 

一人、カウンター営業。

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本当に一人でやったカウンター営業。
楽しんだ。城山に移ってからは当然、いや、もう後にも先にも二度とないでしょう。
山之口の時は結構やった。お客様のリクエスト聞きながらやった。
勉強させてもらった。鍛えられた。
スチコンもない、ガスコンロも火口は3つで一つはパスタのお湯。
フライパンだけでよくやってたよ。
でもいまの料理は手数もパーツもクオリティも前とは違う。
自分への挑戦。
終わってから思えば、一度今まで事をリセットさせる、一旦自分で区切りをつけるタイミングだったのだろう。

料理もカウンター越し。取って下さい。

なぜこんな事したのか?やれたのか?

この日の夜は遠藤先生(一回目以外は先生、日帰りだったので料理食べてもらってないから)と、先生を紹介してくれた東京の常連さんTご夫妻がわざわざ来てくれるから。と言う事で、整体後に営業することに。
ところが夕方、パートナーが体調を崩した。
予定外の彼等のランチのおかげ(笑)予定も大幅に狂い、仕込みも変更。
ディナーの用意も出来てない。そこへカウンターのセッティングまで一人では無理だ。
出来っこない。ベストを尽くせないならいっそお断りしよう。

そう思い先生に相談したら、「いいじゃん、俺がセッティングも皿を下げるのも手伝うよ。」
と言う。いやいや、いくらお世話になってる、中がいいからってさすがにそれは。。
だいいち、料理の準備が予約に間に合わない。
出来ない。と思った。
みなさん、待つからいいよ。と言ってくれた。
逆に、こんな機会二度とないから楽しもうと。
そしてやることにした。

でも、さすがにおまかせ全皿はムリだろ?
何皿かカットしよう。金額も下げよう。
と思い、先生には、予定してた皿全部は出せません。と伝えたし、別にいいよ。気にするな。と言ってくれた。でも、全皿出した。最初、スプマンテ飲みながら過ごしてくれたから準備できた。
かなりのテンションと集中力だったかも。

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何年振りだ?こうやって全皿自分で説明してたの?
ワインの産地や訪ねた造り手のこと、葡萄のこと話したの?
余裕なんてない。緊張感しかない。
でも楽しんでた。

だけど、やっぱ智子さんサーヴィスがないとダメだ。
もう二度とこんなことやらねえ。

「50過ぎたらこんな店でいいじゃん?」
50、過ぎたらね。それまではリストランテを追求しますよ。
東京では新しいスタイルを発信しますよ。

うん、もうやらねえ。
最初で最後。
途中から4年振りにNさんも参加。
今夜の四人は二度と出来ない体験をした?かも。

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一人営業、とは言ってもお皿下げるのとワインの抜栓等は全て遠藤先生がやってくれた。
先生、朝10時からずっと整体してくれた上に、
本当に感謝です。お疲れ様でした。
こんな遠藤先生を見ることもする事も二度とないでしょう。

「お前が50過ぎたら俺が洗い物してやろうか?」
「勘弁してくださーい。」

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楽しむだけじゃなくて貴重な意見も言ってくれた。
それがこの自信作⁉のリゾット。それは、

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このリゾットの前はアマダイ。
次はラグー。

〆のリゾットはまだやる気ないから出すならここ。
だけど、アマダイは大絶賛なのに、自信作のリゾットはビミョー。
明らかに何かを言いたそう。伝えたさそう。
そして言ってくれた。言う方も勇気がいります。

アマダイの時に(料理出したら簡単な説明で熱いうち、冷たいうちに食べてもらい、途中、楽しんでいればその時に細かい説明した方がいいと思う。伝わると思う。)
アマダイの仕込みを説明していた。すると、

「このリゾット昆布使ってる?アマダイが素晴らしかった分、もったいないんだよねえ。
昆布の味が被るのよ。それならいっそチーズ味の方がいいんじゃない?」

えっ?
思いもよらなかった意見。遠藤先生も「俺もそう思う」と言うじゃない。
あ、去年、料理専門職dの編集の方達にも同じような事言われたな?
ヴィシソワーズのボナーティバターのジェラート乗せとチポッラカラメッラータが続いて出てくると、
さすがにバターバターでキツイと。。。
あの時と同じだ。多分、あの時も直接言われたからストレートに響いたのかもしれない。

すげえ勉強になった。
「ゴメンねえ」と何度か言ってくれたけどむしろ、ありがとうです。
絶対気づかず出し続けただろう。
その皿だけ味見してもコースでワイン飲みながら食べるお客様と料理人では違うからねえ。
もちろん誰の意見でもいい訳ではないよ。

う〜ん、まだまだ頑張らないとなあ。
奥が深いなあ。順番は大事だと改めて気づかされた夜。
プリフィクスでお客様が食材が被ろうが順番どうだろうが?
自分で組み立てるコースではない。

先月、柴田さんに温度を指摘してもらい、忘れていた、並びも気付かされた。
そうやってクオリティが上がっていくんだよね。


ドルチェ出し終えたら僕も座って飲んで語りました。
こうなる、前に進むための夜だったんだよ。
でもやっぱ、二度といいよ。

皆さん、ありがとう。


洗い物は、鍋くらいは次の日でいいでしょ?
と、思ったけどせっかくこれだけ充実した夜、次の日店に入って「うわあっ」て思いながらやりたくないしピカピカの方が気持ちいいでしょ?
と思って全部終わらしたらあっという間の3時。
すげえ疲れたけど、やってよかった。
そしてサーヴィスの大切さも改めて認識。
















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by cainoya | 2011-03-08 00:50 | THINK
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