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“赤裸々” 

FLOWER FATHER

たくさんのお客様や周りの人に応援してもらい、助けてもらってます。
家族にも。。

ある方に感謝とありがとうを伝えたくて。

僕のオペにも関わってくれた大切なお客様。
今年、ダントツ食べに来てくださってます。
今夜は娘さんとでした。あまり量は召し上がられないので特別メニューです。
久しぶりの娘さんにたっぷり白トリュフ削ってあげました。
いつも通り、ありがとうございました。とお見送り。
その後に、お父様がお亡くなりになられた事を聞かされました。
ここ1.2年、少しお元気じゃないのかなあ?と思っていました。
どうしても親父と重なって見えました。
いつもキチンとジャケットを来て、オシャレなおじいさんでした。
数ヶ月前にも、そのお父様がどうしても僕の料理を食べたい。とおっしゃってくれたそうで食べに来てくれました。それを聞いてとても嬉しくて、ニコッとして頭を下げて帰られた姿を今でも覚えています。
帰られた後、まだ営業中でしたが涙が出てきました。
そんな時に食べに来てくれて、帰られるまで一言もそんな事は
話さず気丈に振舞ってくれました。
あの時作ったのが最後だったんだ。何回食べに来てくれただろう?
10回以上は来てくださってる。色んな事を考えました。
この前、家族を食事に招待して、とても喜んてくれました。
あと何回両親に料理作ってあげられるんだろう?
そう思っていました。
夕方、実は人参のグラッセとか小さい頃から嫌いで、作ったことがなかった。
畑の人参のスライスしない細い部分をどう使おうか?と考えて、あ、グラッセにしようと思い、親父に電話して作り方を聞きました。電話の向こうで少し、うれしそうでした。

月に1回外食したって年に12回です。年に数回通うレストラン、何軒あるだろう?
ましてや、50や60を過ぎてから通う店なんて。
お亡くなりになられた事を聞いた瞬間から大好きなバンドDe-LAXのFlower Sisterという曲が自然と頭を流れました。20年前もそうでした。
涙が出ました。。。

そうこうしてると別の卓のお客様からもお声が。
二年くらい?前に一度食べに来てくれたそうですがその時は体調を崩されていたらしくあまり食べれなかったそうです。で、僕はお腹に優しい物を、とリゾットを作ったそうです。
そして今夜食べに来てくださいました。
食べる側も作る側も健康でなければ食事を楽しむ事はできません。
夏に入院してから特にそこを考えます。
そしたらそのお客様のお母様は癌で入院されているとのこと。
今は何も食べられないそうです。
とてもレストランやお食事が大好きなお方らしく、
「食べに連れて来てもいいですか?」と聞かれたので
「もちろんです。喜んで作りますよ。待ってます」とお返事しました。
嬉しいですよ。そんなこと言ってもらえるなんて。
お客様の前だったので涙は堪えました。

手術から経済的精神的に不安定になり、やりたい事を出来ない自分に、全てにイライラしてました。
でもこの環境を作ったのも自分。変えていくのも自分。
僕にとっては毎日の仕事でもお客様にとっては人生の中の大切な外食。
イライラしたりしてる場合じゃありません。もっと強く優しくならないといけません。
人を幸せにする料理を作らないといけません。

一期一会。

人生は一度きり。
出会いに感謝しないといけません。

天国のお父様へ、たくさん食べに来てくださってありがとうございました。
ゆっくり、おやすみください。
本当に、ありがとうございました。


CAINOYA 塩澤隆由

by cainoya | 2011-12-10 03:02 | THINK
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