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“赤裸々” 

蛤のラヴィオリ

今年から始めたこのお皿、春の定番になりそうです〜。

ただ、鹿児島では安定して最高の蛤が手にはいるか?と言われると無理なんですよ。。最初に届いた千葉だったかな??天然の蛤があまりにも素晴らしくて、追加で取り寄せてもらったけど身がアサリみたいだった。。自然の物だし、今現在不漁らしい、、、

養殖を試してみた。
全く、身にも出汁にも味がない。
けど、出汁に昆布と鮎魚醤を加えて煮詰めたらかなりいい出汁がとれた。
これをガストロバックで蛤に戻したらえ??これ養殖なの?って蛤が出来た。
昨日は同じように、天草の蛤でやってみたら中々良かった。天然のアサリのブロードも足してコクを出した。


では、蛤のラヴィオリの仕込みを公開しましょう‼


蛤はゆっくりと火をいれて開いた物から取り出してショックで急冷させることで身が縮みません。

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先ほどの浜のブロードと蛤の身をガストロバックにかけます。常温15分。
そのまま漬け込んでおきます。
急に引き上げるとスポンジを水から引き上げるのと一緒で含ませた水分がザーッと抜けて行きます。

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この皿を思いついたキッカケは、蛤、アサリと言えばボンゴレ。でもボンゴレ自体を出したくはない。ディナーで。。なら、ボンゴレをパスタ生地で包んじゃえ‼と思ったわけで。

GV処理した蛤に数滴のガーリックオイル、ペペアロマティコ、畑で取れ出したプレツェモーロ、セミドライにして皮を剥いたアイコ。これを包み易いようにショックで固めます。
ちなみに一つに蛤二個入れてます。
小さいラヴィオリ二個づけでもいいかな?とも思うけどインパクトにかけます。

蛤のラヴィオリ_a0142066_10283337.jpg

パスタ生地はパスタマシンで極薄うすうすに。ラヴィオリはその中身を閉じ込めるわけで口に含んで噛んだ瞬間に生地が厚いと中身の食感を感じる前に生地の食感が邪魔します。


そしてここからが毎回試行錯誤してるとこ。

以前、専門料理誌でスカンピのラヴィオリを紹介してもらった時はスチコンで蒸して生地に水分を含ませて急速冷凍する事で保管時に生地が割れるのを防ぐことを提案しました。

茹でると破裂したり破けたりすることもあります。
今、スチコンで蒸して仕上げてます。
更に生地にも蛤の味を含ませたいので包んだラヴィオリを少し蛤のブロードで茹でてから引き上げてショックフリーザーで急速冷凍します。
蛤のラヴィオリ_a0142066_10283478.jpg

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これを茹でると意味がない。
ので、蒸して提供。
営業中にスチコンをオーブンから蒸しに変えるのは大変です。けど一斉スタートなので可能なんです。
スターターは火を使わない。その感にスチコンを蒸しモードにしてオーダーかかったら蒸して取り出したら直ぐにパンモードに変えてパンを焼く。
春のコースのオペレーションも大分カラダに馴染んできました。



これを見た神渡が一言、「手間の塊‼」と表現しましたがまさに、その通り‼
昨日もやってて(美味しそうだから)、「めんどくせーー」叫んでそれを見て西野が笑ってました。アホか??ってくらい手が混んでます。次はアイコにピマンデスペレットを少しかな??

毎週60個作って少しストックしていかないと切らしてしまうな、、


蛤のラヴィオリ、春のコースの二品目です。今日のから木ノ芽やワラビも加えて春爛漫にします‼

by cainoya | 2013-03-30 10:05
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