“赤裸々” | |||||
「How do you like dish??」 「どれも素晴らしかった美味しかった。」 「じゃあ、どれが一番よかったですか??」 圧倒的に評価されたのがBeef & Pork。 そう、アイアンステーキです。 今回は鹿児島県産の黒毛和牛のランプと黒豚のロースを使いました。 ソースもタレもない塩のみのお肉が通用したのは嬉しかったですね。もちろん、、クオリティとしてはいつも店で出しているものには程遠いけど、初めてのキッチンであの数をあそこまで持って行けたのはヨシとしましょうか。。 日本人特有の繊細な味付けは通用しない。 と聞いていました。 それは薄味とは違うことが分かりました。 日本人の料理の方が味が濃い、のではなく深みがあるのです。出汁であったりしっかりと煮込むことで奥行きがあるのです。 僕の場合、結果これが僕のフィロソフィーとしてゲスト達に伝えたのですが、塩を浸透させてあることに尽きると思います。 焼く直前に表面に塩を振ってもそのほとんどは浸透せずに落ちています。表面に塩味を感じますが、中の方には味がない。だからタレやソースを求める。タレやソースで完成させるのです。よくある塩で食べさせると言って塩を付けて食べるのはどうでしょう??舌に塩が当たるだけです。 僕の塩は1キロに対して300gのトレハロースを混ぜてあります。そのトレハ塩を表面に振ると大体1%位になるわけですが、塩分濃度は0.7%位になると思います。そして焼く前に軽く追いトレハ塩を打つわけですが、そこで塩分濃度が1%位になると思います。 浸透させた塩分と表面の塩分で塩だけですが素材を活かした深みのあるテイストになるから、あれだけ賞賛されたのだと思います。 フェアではデルタモードがやれないスチコンとショックフリーザーがなかったので、真空調理+炭火焼でした。 色んな課題が見えました。 やはり僕の料理に炭の香りは必要ないし、火力を維持出来ないのであれば、サラマンダーの方がいい。もっと肉の水分を残したかったんですね。炭はMAXの火力だけが仕上げの一瞬に欲しい。香りは邪魔をする。だからアレが欲しいのです。 次どうするかは??修正するか?は見えています。 だから、これだけ賞賛してれるなら鹿児島に来てもっとベストな状態で食べて欲しいのです。 世界中何処へ行っても何人に対してでも自分の理想とする肉を提供出来るようにならないといけません。 逆に本当は一番評価されるはずが発揮できなかったのがチポッラカラメッラータ。カラメリゼオニオンパイ。。。 パイのサイズを僕が指示の確認を間違ったのもだけど、、一番はパルミジャーノのジェラートです。ガチガチかドロドロ。。4ステージ中ファイナルステージが最低でした。コントロール出来なかった僕の責任だし悔しいです。。当たり前のようにショックフリーザーを使って料理してきたけど、ただ美味しいものを作るためではなく、海外で、自分のレストラン外でSHOW CASEとしてcainoyaを再現する為にはショックフリーザーは必要不可欠です。硬さや温度を自在にコントロール出来るのです。 パルミジャーノのジェラートはパコジェットでないと無理なんです。敗因は、10段階ある内の3メモリくらいを回しながらやれば良かったんですよ。10段階回すとその間のモーターの熱で溶けるのです。ショックフリーザーがあれば直ぐに固めてコントロール出来るのですが、普通の冷凍庫に突っ込んでも不可能です。先にクネルに抜いて冷凍しておいても冷蔵庫に移して硬さを緩めないとガチガチで食べれません。 そして、もっと簡単にやれると思ってた自分が悪いです。先に一通り食べさせて説明したら良かったのか??でもシンガポール着いてから予約が150と分かって試作する数もなかったんですよね。。。考え方の違いもあります。彼らはシンプル、過ぎるんですよね。数をこなす事に重点を置き過ぎ。クオリティは二の次。だから何度も営業中にmore slowly...not busyと言って丁寧に、と伝えたんですけどね。。これからは試作よりもいかに事前にディスカッションするか??が大事たと思います。 そういう悔しい想いも含めて、今後の課題などとても勉強になったシンガポールフェアでした。 ナポリとミラノは全て現地仕込みですが、スタッフ全てが日本人ですから、大丈夫だと思います。彼等は世界で料理するのは初めてで緊張するでしょうが僕が数回やってますからちゃんとフォローします。言葉より、見て、感じて表現しろ。 年に4本海外で料理したいなあと思いつつも上半期で3本入ってて一発目が終わりました。下半期もオファーがくるでしょう。 毎日がその為の準備です。 毎日が世界へ出て行く為の準備です。 毎日が世界を呼ぶ為の準備です。 終わりのない毎日です。
by cainoya
| 2015-02-17 15:14
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