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“赤裸々” 

pane〜地方のレストラン

昨夜、捏ね出した時に今回のパンは上手くいくぞ‼︎と確信したcainoyaパン。
ベースはトスカーナパン。塩なしパンに塩を加えるところから始めて、粉をブレンド。ゼロゼロ粉、米粉、セモリナ粉、スペルト小麦。モルトシロップ、極少量のインスタントドライイースト。
粉に水分を抱き込ませる様に一気に捏ね上げます。

スチコンの発酵モードで一時間発酵を取ってパンチして一晩冷蔵庫に置きます。
翌日、生地温度が低いのでスチコンの発酵モードで温度を戻します。
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で、分割して成型してダメにしてきたからそのままのカタチで2次発酵を取り、スチコンのベイクモードで焼きます。
焼き上がりを直ぐにショックフリーザーで冷まして水分を閉じ込めます。
そしてカットします。
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かなりいい、仕上がりですね。
レストランメイドとしては結構いいクオリティだと思います。
切り落としもこれだけです。
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そのままショックフリーザーで凍らせてジップロックに入れて冷凍保存。予約分を自然解凍してフィニッシングモードで再加熱して提供します。だからロスがないのです。
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今回、1.5Kの粉に水1200gで62カット。次から倍で仕込みましょうか??やっと安定してコツをつかみましたからね。

さて、これを読んでくれてる料理人さん達に伝えたいことがあって書いてます。パンの仕込みを伝えたいのではありません。
沢山のオーナーシェフ、特に地方で頑張る方々から相談を受けます。その事について伝えたいことがあります。その内容に繋がるのですが、

【一人で、少数精鋭でレストランをやっていくためには??】

今時、スチコンと真空パック機はどのレストランにもありますが、間違いなく、ショックフリーザーが必要不可欠です。
次の日のパン、美味しいですか??
毎日毎日クオリティ維持して焼けますか??
ウチは今、パンは2種類週に1回焼いてます。
ラグーは一月分、スチコンだけで仕込んでショックかけて真空して冷蔵。とか。
スープ類もそうです。ほとんどの物を出来たてでショック凍結かけて保存しているので限りなくロスがありません。

ウチもそうでしたが、スタッフが辞めていき、スタッフに任せられないから自分でやる様になった、店を守るためにそうせざるを得なくなった。
でも、人がいなくなったのにいた時と同じシステムでは店は回りません。変えていかなくてはいけません。人に合わせるのではなく、自分でやれるシステムを確立しなければなりません。その為に、ショックフリーザーは必要不可欠なのです。
地方のオーナーシェフの店だからこそ、メニュー一本化や一斉スタートはやるべきだと思います。バラバラ来られたら、クオリティ維持は出来ません。
一人でやる限界は6人でしょう。
しかし、客単価幾らなら6人でも経営していけるのでしょうか??客単価1万円〜でないと無理じゃないでしょうか??
その為にはお料理を8000円10,000円に設定しなければなりません。そこへワインの売上げ。しかし客単価1万円のラインを超える時に、お皿、グラス、カトラリー、全てのランクを上げなければ、チープに見えてしまいます。だからウチはコツコツと手に触れるものに設備投資をしています。
テーブルを丸卓にしたり、椅子を張り替えたり。。高単価のレストランは全てにお金がかかります。しかし、レストランをやりたくて辛い下積みを乗り越えて借入をしてやっとオープンしたのですから、やりたいのとだけをやらないと、もし上手くいかない時に何かのせいにしてしまうのです。

僕は数年前の正月にこんな発言をしました。「このままではやっていけなくなる。秋まで頑張って経営が軌道に乗らなければ居酒屋に変更します。食うための仕事をします。でもこれはそうならないための発言です」
そして秋が過ぎた頃、何とか上手く行き出しました。そして次にしたのはメニュー一本化と一斉スタートでした。
何とかなる。。と思っていてもどうにもなりません。なら、思いっきりやりたいことだけをやって、もしそれでダメなら諦めもつく。人に合わせるのをやめよう。自分に合わせてもらう店にしよう。そう思ってからどんどん良くなりました。(鹿児島なので今でもかなりムラがありますが。。)

これらの機械を駆使することで一斉スタートなら12名様までいけますが、サーヴィスも一人です。ウチはペアリングで全てのグラスを変えるので、クオリティを維持するために8名様限定にしています。一斉スタートでないと、確実に誰かを待たせます。
僕は、cainoyaというコンサートだと思ってます。プログラムを組み、仕込みをした物をスタンバイして幕が上がると一曲一曲仕上げていく。

だから料理王国4月号でもああいうカタチで取り上げられました。まだまだこれからですが、ヨーロッパと同じ様に、地方のどの街にも都会と変わらないレストランが成り立つことをやってみせるしかないのです。
お食事のご予約時に半日研修とかも受け付けてます。何も隠しませんよ。

続きはまた後日。。

by cainoya | 2015-03-30 09:07
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