“赤裸々” 

肉を焼く。

【自分の理想の火入れ】

ソースなしでお肉を提供していますが、最初からそうだったわけではありません。
煮込みや炭火焼など色んなメニューをプリフィクスでやっていましたが、クオリティを維持できないのでまず炭火焼をやめました。
何年も前にモンタルチーノのワイナリーVITANZAを招いてパーティーをした時、当時は厨房フルオープンで換気も悪く、炭の匂いも客席まで充満したりでした。「炭の香りは時としてワインの香りをかきけしてしまう」とロザルバに言われました。

そこからスチコンを駆使するのようになりました。僕が炭に求めるのは温度であって香りではない。しかし一人で炭の状態を維持するのは難しいのです。当時は一斉スタートでもなかったですからね。そこから少しづつ自分でできるシステムを確立していくのですが、全て失敗から学んだことです。
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▪️現在の焼き方
▷熟成を終えたお肉をショックフリーザーで固めてからカット。

▷トレハ塩を打ってから真空パックで一晩ウェットエイジングを施して翌日ショックフリーザーで急速冷凍。お肉に塩を浸透させてトレハで保水。

▷予約に合わせてお肉を解凍。
スチコンで50度のお湯を作ってそこに凍らさておいたお肉をつけておく。これが一番ベストの解凍。

▷解凍したボウルに氷を沢山入れてお肉を氷温まで落とす。

▷再びトレハ塩と胡椒を打って塩分濃度を調整。フライパンで両面をしっかりと焼く。

▷160度/スチーム60%(※機種によって調整が必要)で3分間お肉に水分と熱を加える。

▷庫内をクールダウン。Δモードで中心温度を取って、ショックフリーザーで余熱を断ってウォーマーで保温。

▷営業中のスチコンは160度/スチーム60%かフィニッシングモードを使い分けている。共通するのはスチームで、乾燥させないため。ここに数回お肉を数分間入れてウォーマーで休ませるのを繰り返す。

▷仕上げはフライパンでジリジリと表面を温めてからカット。肉汁はこぼれない。
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これが4枚目までのcainoyaのお肉です。マスタードを添えてた時期もありましたが、お客様の声でなくなりました。ある意味、お客様が求めていったお肉が今のスタイルです。
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5枚目はミラノ郊外の有名な熟成肉のお店モッタで食べたもの。
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6枚目はお客様のFacebookから拝借。世界一とも言われるスペインのカーサ ジュリアン。
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7枚目8枚目はカンパーニャのレストランでお肉の焼き方を指導??した時の風景。

イタリア人と日本人の味覚の差もあるかもしれないけど、美味しい物に国境はない。知らないだけじゃないかと思います。

5枚目のステーキ。
薪でじっくり焼きますが、食べたらほぼ塩味がありませんでした。。塩のないお肉を400gはしんどかったですね。。塩を打ってはいるだろうけど浸透するはずもないし、焼いてる間に落ちてるのでしょう。そしてテーブルでお肉に塩をつけて食べる行為、これは僕が一番嫌いな行為で、舌に当たるのは塩。

一方6枚目は、そのお客様に聞いたら表面が真っ白になるくらい塩をまぶして焼いてたけど食べたらちょうどいい塩加減だったそうです。
つまり、いかに塩を浸透させるのかが大事なんだと思います。

そして7.8枚目。
前菜、プリモ、セコンドとオーダーしたけどパスタ食べる頃に固まりの肉汁は焼き出すから、焼けるわけないでしょうって事でちょっとやらせてよとレクチャーしました。

▷カットしてから塩を打っても塩は浸透しない。
▷一箇所にただ置くのではなく、火力の強ところで焼いて弱いところかで休ませる。
▷水分がどんどん飛んでいくのでアルミホイルなどで保水することも必要。
▷中心がレアと生は違う。

その理屈は理解してくれました。
ただ、塩を打って真空パックで数日置くと、中まで塩が浸透しきってしまい、どこを食べても同じハム見たくなります。サイズも大事です。だから急速冷凍しているのです。熟成と塩加減をベストな状態で止めているのです。あと、事前にカットしておけば切り落としでラグーとか仕込めますからね。

現在の僕の理想のお肉は、
▷ソースなしで食べらる適度な塩分が浸透されていること。
▷何を食べているのかハッキリする味。
▷乾燥していない焦げていない焼き上がり。
▷噛みしめる時の厚さ(牛肉で5cm.豚肉で4.5cmを真横にカット)
それがcainoyaのアイアンステーキです。もちろん、毎回試行錯誤。これからも進化し続けていきます。
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by cainoya | 2015-08-29 10:30
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